デノンのブックシェルフ型スピーカー「SC-ME2」です。
以下の整備を施しています。
・ リアドライバーのウーファー化
・ ツイーターの補強
・ 配線の引換え
・ 吸音材の配備
背面側のドライバーに12dB/octのフィルターを導入して、低音再生専用としています。(写真9枚目右下)
前面側は変更ありません。
また、ツイーター側のネットワークもオリジナルのままです。
ツイーターユニットのリード引出し部の脆弱な部分を、はんだと接着剤で補強し、ケーブルの接続点を別に設けることで負荷を軽減しています。
前背面コーンドライバーの配線を引き直しています。
前面側は16AWGのRocketfish製で、基板スルー。
また、ツイーターは位相を反転させています。
キャビネット内天面側に、PET製硬質フェルトを吸音材として配置。
また、ツイーターの前面プレートに共振対策としてフェルトを張っています。
------
キャビネット外観は、天面に数か所引っかき傷(写真5枚目)、底面には擦り傷があります。
また、片方にはPVCシートの縮みが発生しています。(写真6枚目)
前面ネットは、穴や剥がれはありません。
背面側には、ピンホールが一か所あります。(写真7枚目)
バインディングポストは、分解し薬剤で内部まで洗浄しています。
底部にはフェルトシートを貼っています。
------
小型ブックシェルフ型ながら、前背面にフィルターレスのコーンドライバー、さらにツイーターとスーパーツイーターを備える、変則的な3ウェイ4ドライバーのパッシブスピーカーです。
2005年頃発売された「D-ME2DV」というDVD/CD/MDミニコンポのスピーカー部で、とある家電量販店の限定モデルだったようです。
デノン独自技術のP.P.D.D.方式であり、再生周波数帯としてはかなり低い音までカバーしますが、どちらも実質フルレンジ駆動のため、見た目に反して右肩上がりの高音に寄ったバランスです。
整備では、その是正のため、背面側の中高音をカット。特性的にある程度フラットに持っていく調整をしています。
------
主な定格
・ 3ウェイ4スピーカー/バスレフ型/防磁設計
・ 寸法:160W x 270H x 231D mm
・ 重量:約4.2kg
・ インピーダンス:6Ω
・ 最大入力:50W(EIAJ)、100W(PEAK)