【商品】
岩波書店発行、第1刷発行、2003年11月27日、229頁、2400円+税
ISBN4000247514
○帯より
文化実践のリスクと可能性を転換期のアメリカに探る
広島原爆投下機エノラ・ゲイ展示をめぐるスミソニアン原爆展論争、フェミニズムの多元性と女性の「連帯」を問う「女性国際戦犯法廷」、世界正義のアメリカ化を示すリドレス（戦後補償）問題、そしてポスト冷戦の終結と9・11以後繰り広げられる暴力と戦争……。
○目次
はじめに 1
I 知の政治性を問う 11
1 「批判的多文化主義」の考え方
マルティカルチュラリズムをめぐる言説 多文化主義と「多様性の管理」 『菊と刀』におけるリベラル多文化主義 他
2 変革的知のために‐‐他者性の学としてのカルチュラル・スタディーズ
カルチュラル・スタディーズの「新しさ」と「外来性」 他者性の学としてのカルチュラル・スタディーズ 招かれない客の不安‐‐文化の研究をめぐる争い 他
II トランスナショナリティと文化研究の可能性 83
3 記憶と歴史をめぐる争い‐‐スミソニアン原爆展と文化戦争
スミソニアン論争の多文化的文脈 越境する記憶と言説のねじれ 他
4 批判的フェミニズムの系譜と女性国際戦犯法廷
批判的人種理論（クリティカル・レイス・セオリー）とフェミニズム 異議申立ての系譜‐‐第三世界フェミニズムとウィーメン・オヴ・カラー・フェミニズム 他
5 旅する記憶・感染する正義‐‐世界正義のアメリカ化とリドレス（補償）
「解放とリハビリ」の帝国神話 米国における日本の戦争犯罪の記憶 リドレスの（不）可能性 「解放」という負債
注
あとがき‐‐ポスト冷戦の終結と9・11以後
○著者略歴より
米山リサ（よねやま・りさ）
スタンフォード大学人類学部Ph.D。社会科学調査委員会マッカーサー財団奨学生を経て1992年よりカリフォルニア大学サンディエゴ校文学部準教授。著書にHiroshima Traces: Space and the Dialectics of Memory（カリフォルニア大学出版、1999年）、日本語論文に「記憶の弁証法‐‐広島」『思想』（1996年）、「記憶の未来化について」小森陽一・高橋哲哉編『ナショナル・ヒストリーを超えて』（東京大学出版会、1998年）等。
○状態
古本ですが本体は大変に良い状態で、新本同様です。書込みや折れはありません。口部に僅かな汚れ、カバー部に僅かな擦れがあります。帯は切取り背扉裏に糊づけしてあります。気鋭の日米文化史家――米山氏によるポストコロニアル研究の書をお譲り致します。
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