11CD
廃盤
ノイマン&チェコ・フィル
マーラー:
交響曲 全集
名指揮者ヴァーツラフ・ノイマン[1920-1995]とチェコ・フィルの、もっとも充実した活動時期にレコーディングされたマーラーの交響曲全集。
ド ヴォルザークやスメタナのイメージが強いノイマンですが、マーラーにも積極的だったことはご承知のとおり。
未完に終わった晩年の全集再録音のほか、ゲヴァ ントハウス管弦楽団と1960年代に録音した第5番、第7番、第9番は、ファンの間でいまだ根強い人気を持っています。
そんな中でも、質・量ともに重要なのは、このスプラフォンへの全曲レコーディングでしょう。
「プラハの春」事件を乗り越え、ふたたび往時の活力を取り戻 したと評判も高かったこの時期のチェコ・フィルならではの美しいサウンドがまず印象的。
過敏な神経症的側面が強調されがちなマーラー作品から、自然な歌心 を描出した演奏となっています。
特に第5番は、名トランペッター、ミロスラフ・ケイマルによる冒頭のトランペット・ソロから実に美麗。
もちろん迫力も充分なのですが、刺々しい響きを作 らず、抑制された旋律の美感を常に失わないアプローチは、例えば第1楽章の葬送行進曲や第3楽章から、何とも物憂いノスタルジックな表情を引き出すことに 成功しています。
名高い「チェコ・フィルの弦」が本領を発揮した第4楽章アダージェットも聴きものです。
アナログ完成期の録音も優秀。
デジタル初期の名録音として知られた第3番も、作品との相性もあって素晴らしい出来栄え。
マーラー作品にはボヘミアでの幼少期の体験が反映しているとよ く言われますが、そのことを実感させてくれる数少ない演奏でもあります。
アルト独唱に名歌手ルートヴィヒを迎えていることも大きなポイントです。
名ホールとして名高い「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホールという、優れた響きの録音会場に恵まれている点も当全集のメリット。
アナログ後期の1976 年からデジタル初期の1982年まで、6年がかりの収録ですが、
一貫して保たれている高水準なサウンドは、この名ホールの音響があってこそでしょう。
グスタフ・マーラー:
・交響曲第1番ニ長調『巨人』
録音:1979年[ステレオ]
・交響曲第2番ハ短調『復活』
ガブリエラ・ベニャチャコヴァー(S)
エヴァ・ランドヴァー(A)
チェコ・フィルハーモニー合唱団
録音:1980年[ステレオ]
・交響曲第3番ニ短調
クリスタ・ルートヴィヒ(M)
キューン児童合唱団
チェコ・フィルハーモニー合唱団
録音:1981年[デジタル]
・交響曲第4番ト長調
マグダレーナ・ハヨーショヴァー(S)
録音:1980年[ステレオ]
・交響曲第5番嬰ハ短調
録音:1977年[ステレオ]
・交響曲第6番イ短調『悲劇的』
録音:1979年[ステレオ]
・交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
録音:1977,78年[ステレオ]
・交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』
マグダレーナ・ハヨーショヴァー(S)
インガ・ニールセン(S)
ダニエラ・ショウノヴァー(S)
ヴィエラ・ソウクポヴァー(A)
リブシェ・マーロヴァー(A)
トマス・モーザー(T)
ヴォルフガング・シェーネ(Br)
リハルト・ノヴァーク(B)
キューン児童合唱団
チェコ・フィルハーモニー合唱団
プラハ放送合唱団
録音:1982年[デジタル]
・交響曲第9番ニ長調
録音:1982年[デジタル]
・交響曲第10番嬰ヘ短調~アダージョ
録音:1976年[ステレオ]
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)
コンディション良好。
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